新築外構工事の予算の考え方①
ご相談にいらっしゃるお客様にご予算を伺うと殆どの方が「いくらかかるか想像できない」とおっしゃいます。
確かに外構及びエクステリアの工事というのは家を建てよう、もしくは家を買おうとなってみて初めてそのニーズが生まれますので、その価格帯がなかなか世間に浸透していない業種の一つかと思います。
建物の方はテレビを初めとしてあらゆる媒体で宣伝広告がなされていますので何となく聞いていたり、「坪単価」などでわかりやすく提示されていたりしますのでイメージがしやすいと思いますが、エクステリアにおいてはそう言った物がありませんので感覚として分かりづらいせいかとも思います。
そして家を建てようと相談しているビルダーさんに「外構工事の予算組みはどうすれば良いか?」と聞くと「100万円くらいあれば・・・」や酷い所は「50万円くらいで・・・」と言われてしまうのでそういうものだと思い込んでしまう訳です。
しかしこれは某ハウスメーカーさんが「555万円で家が建ちます」と言っているのと同じ「住むには住めるけど・・・」という、言わば「必要最小限」のお話ということを覚えておいてください。
ビルダーさんたちは外構工事を含めたインテリアや家電など、家以外の予算組みは基本的に最低限でお見積もりをします。それは「家にお金を使って欲しい」訳ですから仕方のない事です。むしろビルダーさんは「家」を売っているわけですから当然と言えば当然の事なのです。
そしてビルダーさんたちのほとんどはあまりエクステリアの事について知識がありません。皆さんにとっては「住まい造りの要素の一つなんだから家と一緒にできるでしょう」というお考えがあると思いますが、実は全く畑違いで専門的な考え方や知識が必要なのです。ビルダーさんの中には経験を積まれて何となく知っている方もいらっしゃいますが、営業成績に厳しい住宅業界ではひたすら家を売る事に必死にならなければ生き残っていけませんのでエクステリアの事なんて勉強する暇がないのです。
素敵なマイホームを夢見ている方がこういったビルダーさんの言葉を鵜呑みにして住宅ローンの予算組をすると、せっかく家の外観にもこだわったのにコンクリートが敷いてあるだけの駐車場になってしまったり、味もそっけもない建売住宅みたいな柱1本の門柱しかつけられなかったりしてしまい、全体として残念な外観の家になってしまう訳です。。
さらに言えば、大きな掃き出し窓から風と光をいっぱいに取り込んだ心地よいリビングをイメージしていたのに、そこから見える庭がただの野原になってしまったり、壁やフェンスも立てられずにカーテンを開けると外から丸見えなお部屋になってしまったりして、思い描いていた新しい暮らしとは程遠い生活が始まってしまいます。
結果、いざ外構計画を考え出すと「こんなはずじゃなかった・・・」とおっしゃる方が後を絶たないわけです。
こうならないためにも外構・エクステリアの事について早めに知っておいて、しっかりとした予算組みをしておく必要があります。
じゃあ結局の所どれくらいで予算を組んでおけばいいのか?
いつも皆さんにご要望を伺っている内容としてよくあるのが、「門構えとアプローチを素敵にしたい」「駐車場とカーポートの屋根が欲しい」「庭にはウッドデッキと日除けが欲しい」「適度な植栽と目隠しフェンスも欲しい」「外水道も見栄えが良くて使い勝手を良くしたい」です。
これは土地形状にもよりますがすべてを盛り込んでいくと大体の場合で¥300万〜¥400万くらいにはなってきます。
これを踏まえて弊社では、だいたい建物価格の15%〜20%をご予算として見ていただければお庭造りも含めた外構デザインができるというお話をさせていただいております。また、外構だけであれば10%〜15%程度で建物に見合った物がご提案できるとも考えております。あとは敷地の広さ、道路や隣地との高低差および境界の状況によって変化してきます。
ご予算組みをお考えになる中で「そんなに外構工事の予算は捻出できないよ!」とおっしゃる方も多いとは思います。しかし皆さんにとっては一生に一度の住まい造りです。ご予算の有る無しに関わらず適当に終わらせてしまわずに今一度外構やお庭も含めた暮らしのイメージをしっかりと持っていただき、後悔しない住まい造りをしていただきたいと思います。